アイヌのエカシ(長老)ポンペさんからお誘いをいただき
藻岩山で行われるアイヌの山の神へ感謝を伝える儀式に参加してきました。
当日は朝から霧雨、藻岩山は真っ白。。。
「中止にならないのだろうか???」
ポンペさんとは携帯でのやりとりをしないので確認も出来ずドキドキ。
霧で真っ白の藻岩山を上がるとすでに準備は始まっていました。
霧雨からどしゃぶりになりつつある中
手分けしてテントを張ったり、準備を進めます。
私たちは正直ナニをしたら良いのかもわからないのですが
出来る事をやりつつ、ポンペさんにいろいろ教えてもらいました。
イナウを作ります。
上の笹の葉の物は「榊」のような感じで両脇に置かれます。
イナウはご神体のようなもので、これに神への祈りなどを伝えてもらいます。
イナウの数はそのときによるそうですが、今回は5本(五つの神様)用意されていました。
柳の気を削り房にしたもの、ここまではポンペさん達が作ってくれていたもので、これに木の枝を括り付けていきます。
そのうち木を削る作業も教えてくれると言ってくれました。
食べ物を扱うのは女の仕事。
持ち寄った神様に捧げる食べ物を笹の葉の上に並べます。
お米に昆布、塩、小魚、木の実や果物。
動物の骨やたばこの草(?)などもあります。
お菓子や甘いものもたくさん用意されていました。
男性陣は雨の中木の枝を組み、イナウを並べるヌササン(祭 壇)を作っています。
神様にはそれぞれ名前がついています。
なんとか準備が整って来ました。
土砂降りの中、火をおこし、捧げ物を並べます。
なんと、ポンペさんは私たちに衣装を用意してくれていました!!
感激〜〜〜〜!!!!!
儀式が始まるまえに静かに座るポンペさん。
瞑想状態なのか?神様に繋がっている感じがします…
座る場所や順番も決まっているようです。
男は前列、そのうしろに女(妻や家族?)
いきなりポンペさんの横に座ることになって緊張を隠せない夫…そりゃそうだ(笑
男達の後ろ姿を眺めるというのもなかなかオツです。
そしていよいよカムイノミ、スタート。
アイヌにとっての神は、私たちが神社や教会で祈る神とはずいぶん違います。
囲炉裏で燃える火も神ですし、家のまわりに立つ一本一本の木も神、家自体も神で す。
アイヌの考えでは、あらゆるものに魂が宿っていて、なかでも動物や植物など人間に恵みを与えてくれるもの、火や水、生活用具などのように人間の生活に 欠かせないもの、あるいは地震や津波など人間の力が及ばないものをカムイ[神]と呼んで敬いました。 昔の暮らしは自然と直接向き合っていましたから、衣食住のすべてにわたってものをいうのは自然界と協調する能力でした。自然界の神々と仲違いしては食べ物も得られず、災害に見舞われ、生きてゆくことができません。(アイヌ民族博物館 資料より)
オンカミ(拝礼)から始まり
男達にトノト(お酒、今回はどぶろく)が回されます。
アイヌは神や先祖にお神酒を捧げるとき、イクパスイ(イク[酒を飲む]・パスイ[箸])という独特の儀礼具を使います。箸先を酒杯につけ、神や祖先 の祭壇に向けて垂らすと、一滴の酒が神の国には一樽になって届き、神々も人間たちと同じように酒を酌み交わすものと考えました。 同時に、イクパスイは人間の祈り言葉を神へ伝える役目ももっています。そのためパルンペ[舌]といって先端に三角形やヘの字型の小さな切り込みがつけられる場合があります。 イクパスイは大祭はもちろん、日常の個人的な祈りにも用いましたし、外出先で携帯していないときでも、その場で木を削って簡単なものを作りました。どのような状況でも祈りには欠かせない儀礼具のひとつです。
手作りのイクパスイで炎(火の神様)にお酒を捧げているところ。
ちなみにポンペさんはいつでもどこでも、食べたり飲んだりするときは割り箸でこの行為をします。
どんなときでも、自分がいただくものを神様に捧げ感謝を忘れないのです。
見習わなくては。。
男達が呑んだあと、後ろの女に器がまわって来て、続いていただきます。
神への祈りを捧げる言葉と共にオンカミ。
両手をずらしながら左右へ振り、両手を上に向けて頭を下げ手を上に何度も上げます。
自らの 心、魂と、大自然の神々の魂と、魂が心静かに、心優しく響き合いますように、 という気持が感謝の現れなんだそうです。
私も目を閉じてその場を感じてみました。
天候のおかげもあって火や土と共に風や水のエレメントも感じられます。
目に見えない存在も全て神様というアイヌの信仰心。
そういう感覚も学んでいきたいと強く思います。
次に
五本のイナウ、神様にそれぞれ祈りを捧げます。
それぞれの神様の名前が書かれていましたが、写真が悪くて読めません…
ポンペさんに聞いておきます!
夫も直接指導を受け水の神様に祈りを捧げます。
どうして、こうへっぴり腰なのでしょう…(苦笑)
五本全てが終わったら、次は女達によるシンヌラツパ、「先祖供養の儀式」です。
これは私も(その場にいた女性ほとんどが)参加させていただきました。
まずはエカシからイナウ(この場合は先祖)を受け取ります。
神様とおなじように置いていき
トノトを受け取り
イクパスイでトノトを捧げ
捧げもの、先祖が好きだったものをまず自分がいただく(先にいただかないと先祖が食べられないから)
食べたものをチヤラパ(供物をヌサの地面に撒く)する。
タバコが好きだった先祖にはたばこの草を火にくべたりもする。
チヤラパするときには自分の先祖や関係する故人の名をよび、語りかけることが大切である、とされている。
残ったトノトは(呑める人は)呑み干す。
私はもちろんこんな呑みっぷり(笑
出た!悪い顔(爆笑
夫の不安げな表情と対照的ですね…
この後はイナウや捧げ物をどんどん燃やして行きます。
無知な私は「寒いからいろいろ燃やして暖をとっているのかな…」などと思っていましたが
もちろんそんな事は無く(笑
これも神に捧げる行為。
アイヌネギをも火にくべるととっても美味しそう!
雨で充分にうるかさった(北海道弁)お米も無駄無く神様へ
これにて儀式は終了、あとは直会、、、ではありませんが
みんなで捧げ物をいただきます。
写真を撮るのを忘れてしまいましたが、みなさんの差し入れ煮しめやら雑穀ごはんやらお漬物やらもずらりと並び、なんだかお正月のようでした!!
そしてデザートにはなんと!!
二風谷のアシリレラさんから贈られたという夕張メロンー
超美味しかった!!
最後に記念に衣装でツーショット。
自分で衣装を作りたい!アイヌ刺繍したーーーーーい!!!
なんだか、何にも知らない和人が急に現れて参加させていただき…
一緒にいろいろ教えてくださった皆様、本当にありがとうございました。
今後もアイヌ文化を学び、伝えて行く活動を続けていきます!!
よろしくお願いいたします。
当時のアイヌの方々のカッコイイ動画(写真)を見つけました!
素敵すぎてゾクゾクしちゃいます。
余談…これだけ惹かれるってことは自分(の過去生)がアイヌだった?とも思いますが
アイヌだったというよりは、もしかしたら和人としてアイヌの方々を傷つけてしまった立場だったかも…という気もします…ポンペさんとはどこかの過去生で肉親だった!はず。[4回]
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