昨日は道庁で行われた三回目の「北海道産業用大麻可能性検討会」を傍聴して来ました。
北海道未来総合研究所の松井座長を中心に北海道で唯一栽培免許を持っている香遊生活の船山社長、道総研部長、コープさっぽろ理事、道薬剤師会理事
そして道から農政部、農産振興課、地域政策課、医療薬務課、技術普及課、食関連産業室で情報交換、議論を行い可能性を検討します。
私は一回目は傍聴していませんが、今回は前回からずいぶん変化したように感じました。
とにかく大麻は麻薬であるというイメージがあるため「大麻を栽培するなんてとんでもない!!」というのが一般市民殆どの方の意見であろうと思います。
そしてその代弁者である方々に無毒品種や活用事例があることを知ってもらう、そして産業用大麻の有用性を理解してもらい、納得してもらうことが重要だと思うのですが
前回よりも有用性については理解を深めてもらえたように感じました。
「道として野生大麻との交雑を含め、幻覚物質であるTHCをしっかり測る環境を作ってもらいたい」という『共通意見』が出たことがまず第一歩前進した気がします。
また、今回は実際に苫小牧で野生大麻をボランティアで抜き取っている方の意見、栽培免許申請中の松家さんから有機農家としての意見、北海道ヘンプネット代表菊地さんから全国的に大麻普及活動を行っている立場としての意見、それぞれ現場の声を聴く事も出来たことも大変有意義であったと思います。
最後の松井座長の「ルールはルール、ダメはダメ、を押し付けると人は思考停止になる。自分で調べて、自分で考え、自分で決めるべき」という言葉には思わず拍手をしたくなりました!
検討会後、北海道ヘンプネット会員の交流会があり、すっかり大麻界では「時の人」になった広田まゆみ議員なども交えそれぞれの現状や今後の活動について楽しく語り合いました。
松家さんの免許取得(今月末に結果が出るそうです!)も期待が持てますし
東川に移住し大麻農家を目指す若いカップルもおり、なんと大麻が繋いだご縁♡ということで
また目出たい!
今回は本当に「大麻の未来」を見たようで、心底喜びを感じるひとときでした。
<検討会まとめ>
1.有用性については、穀物としての麻の実や食用油、麻織物などの繊維はもとより、住宅用建材など多様な工業製品のほか、土壌環境の改善やバイオマス資源としてもおおいに期待出来る。
2.一方、栽培上の課題については、薬物乱用防止との関連で慎重に対応すべきとの意見があり、こうした不安を取り除くことが必要である。
仮に無毒性品種を栽培しても、交雑による有毒化が懸念されるのであれば、何らかの検査体制が必要ではないか。
栃木県ではTHCの含有量ではなく「とちぎしろ」の品種としての純系が保たれているかについて、種子の増殖段階で検査しているが、野生大麻が多い北海道内では、栃木県と同様の検査をすべきか検討が必要ではないか。
3.道民の理解については、大麻の薬物としてのイメージが強く、無毒品種や活用事例についてほとんど知られていない中で、産業用大麻の有用性の周知を行っていくことが必要である。
また、薬物乱用の不安を払拭する上でも、THCを測る環境をしっかり作ることが道民の理解を得ることに繋がるのではないか。
4.いずれにしても、道内では近年栽培実績がほとんどないことから、当検討会としては、栽培に関する基礎的な知見の積み重ねが必要であるとの共通認識に至った。
5.増殖を含め、種子の安定的な確保は、産業用大麻に限らず、全ての作物に共通する課題である。現在、種子を入手出来る可能性があるのは、栃木県の生育した無毒性品種に限られており、導入した種子が北海道の気候・土壌の適応するか、育成や増殖の可能性に関する科学的知見の収集が、まずは必要となるのではないか。
6.このため、寒冷地である北海道において「とちぎしろ」の種子増殖の可能性を検討するため、試験研究用として譲渡を受け、育成試験を実施することを提案したい。
7.なお、民間の裁判事例についても、その育成に関する情報を収集するなど、知見の蓄積に努める。
8.こうしたデータを収集した上で、今後、道内の新たな農作物としての可能性について調査検討を進めていくべきである。
[6回]
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